【2026年新設】調剤時残薬調整加算とは?算定要件・点数・7日ルールをわかりやすく解説
調剤時残薬調整加算とは?
2026年度調剤報酬改定で、新たに「調剤時残薬調整加算」が新設されました。
これまで残薬調整は「重複投薬・相互作用等防止加算」の中で算定されていましたが、
「重複投薬・相互作用等防止加算」は廃止。
調剤時残薬調整加算…患者又はその家族等から残薬状況の聞き取りを行い、残薬調整を実施した場合を評価
薬学的有害事象等防止加算…服用薬剤の一元的管理に基づく薬剤調整を評価
上記の通り各々独立した評価項目となりました。
一方で、
- 何日分から算定できるの?
- 減数調剤だけでも算定できる?
- 疑義照会は必要?
- 6日分以下はどうなる?
など、現場で迷いやすいポイントも多い加算です。
今回は調剤時残薬調整加算について、できるだけわかりやすく整理してみます。
調剤時残薬調整加算
患者さんの残薬を確認し、処方医の指示や疑義照会結果に基づいて薬の日数を調整した場合に評価される加算
- 家に30日分残っている
- 飲み忘れが続いている
- 受診日がずれて薬が余っている
こうしたケースで残薬を確認し、不要な薬の交付を減らした場合に算定対象となります。
まず覚えたい算定要件
原則
- 残薬を確認(患者または家族から聞き取りの上)
- 処方医の指示または疑義照会
- 調剤日数を変更
ここまでは今までと同じですね。今回の改定で追加されたことは
- 7日分以上相当の調剤日数の変更
- 手帳の活用実績の基準を満たしている ※持参率50%以下は算定不可
上記の二点が必須になります。
つまり、
「残薬がある」
だけでは算定できません。
実際に7日分以上の数量を調整して初めて算定対象になります。
※手帳の活用実績基準について
一度基準を満たさなくなった場合でも、直近3か月間で手帳提示率が50%を上回れば、翌月からは「適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局」に該当しないものとします。
区分は4つ。点数は30点と50点
調剤時残薬調整加算はイ〜ニの4区分あります。
処方受付1回につき1回、対象となる点数を算定します。
複数の処方に対して残薬調整を行った場合も受付1回につき算定は1回です。
| 区分 | 対象患者 | 点数 |
|---|---|---|
| イ | 在宅患者で事前に処方提案し、その内容が提案が反映された処方箋を受け付けた場合 | 50点 |
| ロ | 在宅患者で調剤日数の変更が行われた場合(イの場合を除く。) | 50点 |
| ハ | 服薬管理指導料「1のイ」または「2のイ」を算定する患者に対し、かかりつけ薬剤師により調剤日数の変更が行われた場合( 区分 「イ・ロ」の場合を除く。) | 50点 |
| ニ | イからハまで以外の場合(上記以外の通常外来患者) | 30点 |
「重複投薬・相互作用等防止加算」の点数は、
『残薬調整以外:40点』『残薬調整:20点』でしたので、今回の改定で全体的に点数が引き上げられましたね。

「7日分以上相当」の考え方
ここはレセプト返戻の原因になりやすいポイントです。
7日分以上相当とは以下の考え方になります。
| 薬剤 | 判定基準 |
|---|---|
| 内服薬 | 7日分以上 |
| 屯服薬 | 7回分以上 |
| 外用薬 | 7回以上使用量 |

隔日投与などの場合は、実際の服用日数で判断します
6日分以下でも算定できる
実は例外があります。
例えば、
- 高額ながん治療薬
- 高価なバイオ製剤
- 薬学的に早急な調整が必要なケース
では6日分以下でも算定可能です。
ただし、
- 医師指示または疑義照会結果に基づく
- 患者へ説明する
- 薬歴へ記録する
- レセプトへ理由を記載する
ことが必要になります。
薬歴への記載事項
7日分以上の場合
- 確認された残薬の品目名、残薬の数量・日数。
- 残薬が生じた理由(飲み忘れ、体調悪化による自己判断での休薬、受診間隔と薬のズレなど)
6日分以下の場合
- 次回受診日(調剤日)を患者または家族に確認した事実
- 残薬が7日分未満でも今回調整する必要性を患者・家族へ説明した概要
レセプトへの記載事項
- 残薬調整の理由(下記記載)
- 変更のあった主な薬剤名
- 処方医への相談年月日(調剤時残薬調整加算のイを算定した場合)
残薬調整の理由
- 経済的負担の軽減:「がん化学療法薬等の高額な医薬品の患者負担軽減のため」
- 安全な薬学的管理:「治療終了予定日との日数調整のため」「投与間隔が長い薬剤のため」
- 治療の変更:医師の指示による治療終了予定日に伴う調整など、「その他薬学的専門的観点」+ 該当理由を具体的に記載
残薬調整後に必ずやること
残薬調整加算は、単に薬を減らしただけでは終わりません。
減数調剤後には以下が必要です。
医療機関への情報提供
原則として翌営業日まで
患者の残薬の状況、その理由及び実際に患者へ交付した薬剤の投与量、患者への説明内容等について、原則、翌営業日までに当該減数調剤に係る処方箋を発行した保険医療機関に情報提供すること。なお、電子処方箋管理サービスのコメント機能に当該内容を記載することにより、処方医が当該情報を確認できる場合には、当該記載をもって処方医への情報提供に代えることができる。
患者へ次回受診時の報告を促す
- 患者に対して次回受診時に処方医へ残薬の状況を報告することを促すこと。
- 手帳を用いて服薬管理指導を行う場合には当該手帳に記載すること。
お薬手帳への記載
手帳を用いて服薬管理指導を行う場合には当該手帳に記載すること。
処方箋が変わったことも要チェック

2026年度改定では処方箋様式も変更されました。
備考欄に
- 保険医療機関へ疑義照会した上で調剤
- 調剤する薬剤を減量した上で保険医療機関へ情報提供
が追加されています。
後者にチェックが入っている場合は、薬局判断で減数調剤を行い、その後に情報提供する運用が可能です。
薬局として意外に重要なポイント
処方削除になった場合は?
減数調剤を行うときに、調剤する医薬品の調剤日数または数量を「0」にすることはできません。
つまり処方そのものを完全に削除する対応は、本加算は認められません。
残薬調整時には注意しましょう。
28日→27日以下になった場合の調剤管理料は?
先日疑義解釈がありました。
内服薬が長期処方(28 日分以上)されている患者であって、残薬の状況が確認されたものにおいて、処方医に対して照会を行い調剤日数の変更が行われる又は処方箋の「調剤する薬剤を減量した上で保険医療機関に情報提供」の欄にその旨の指示があり、減数調剤を行うことにより、実際の調剤する内服薬の投与日数が 27 日分以下となった場合、調剤管理料の1のイ(長期処方(28 日分以上))又はロ(イ以外の場合)のいずれを算定すべきであるか。調剤管理料の1のイを算定する。
つまり
27日以下となっても28日分以上の調剤管理料1のイで算定という事になります。
残薬を合わせると28日後に受診するからでしょうか…。

地域支援・医薬品供給対応体制加算の実績要件
今回の「調剤時残薬調整加算」は単なる30点・50点の話ではありません。
地域支援・医薬品供給対応体制加算の実績要件
にも含まれています。
そのため、
- 残薬確認をしているのに算定していない
- 記録不足で請求できていない
という状態は、薬局経営面でももったいない状況になります。
まとめ
2026年度改定で新設された調剤時残薬調整加算は、
「残薬を見つけて終わり」ではなく、「残薬を調整し、医師へ情報提供し、適切な薬物療法につなげること」を評価する加算です。
覚えておきたいポイントは次の4つです。
- 原則は7日分以上の調整
- 通常30点、在宅やかかりつけは50点
- 6日分以下でも例外あり、高額な薬等は算定対象になる
- 情報提供と薬歴記録まで行って初めて算定できる
今後は処方箋様式の変更も含め、残薬調整を日常業務の中で適切に運用できるかが重要になりそうです。


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