ビラノアがOTC化へ|2027年3月から処方時の自己負担が増える可能性も?
花粉症やアレルギー性鼻炎でよく使われている抗アレルギー薬「ビラノア」。
2026年8月19日、厚生労働省の薬事審議会要指導・一般用医薬品部会で、
ビラスチンを有効成分とする「ビラノアN」の製造販売承認と、要指導医薬品への指定が了承されました。
つまり、処方箋なしで購入できるスイッチOTCになる方向となりました。
一方で、今回のOTC化でもう一つ注目しておきたいのが、
2027年3月から始まる予定のOTC類似薬に対する新しい患者負担制度です。
ビラノアのOTC化によって、
将来的には「病院でビラノアを処方してもらうと、これまでより自己負担が増える」という可能性も出てきました。
ビラノアNのOTC化が了承
2026年8月19日に開かれた厚生労働省の薬事審議会要指導・一般用医薬品部会で、「ビラノアN」について、
- 製造販売承認
- 要指導医薬品への指定
が了承されました。
有効成分は、医療用のビラノアと同じビラスチンです。
今回のビラノアNは、医療用の「ビラノア錠20mg」を一般用医薬品へ転用する、いわゆるスイッチOTCにあたります。
今後、厚生労働大臣による正式な製造販売承認や、実際の発売時期・販売価格などは今後明らかになっていくことになります。

ビラノアはどんな薬?
ビラノアは、第2世代抗ヒスタミン薬に分類される抗アレルギー薬です。
有効成分のビラスチンがヒスタミンH1受容体をブロックすることで、アレルギーによる鼻水・くしゃみ・かゆみなどを抑えます。
- アレルギー性鼻炎
- 蕁麻疹
- 湿疹・皮膚炎に伴うそう痒
- 皮膚そう痒症
1日1回で使用できることなどから、アレルギー性鼻炎の治療で広く使用されています。
ビラノアで特に注意したい「空腹時」
OTC化された場合に、薬剤師として特に重要だと考えているのが服用タイミングです。
ビラノアは基本的に、
空腹時に服用する薬
です。
これはビラスチンは食事の影響を受け、食後に服用すると薬物曝露量が低下することが確認されています。
大鵬薬品の医療関係者向け情報では、ビラスチン20mgを高脂肪食後に単回投与した場合、空腹時と比較して、
そのため、
「朝食後にほかの薬と一緒に飲んでおこう」
という使い方には注意が必要です。
OTCになって購入しやすくなるからこそ、服用方法まで正しく理解して使うことが大切な薬といえます。
Yuki販売時には用法に気を付けないと間違える人が多そうだね。
重要!2027年3月からの「OTC類似薬」の制度
今回のビラノアOTC化と合わせて知っておきたいのが、2027年3月から始まる予定のOTC類似薬に対する患者負担の見直しです。
「OTC類似薬を保険から完全に外す」という議論もありましたが、現在示されている制度では完全な保険適用外ではありません。
まずは対象となる医療用医薬品について、
薬剤費の4分の1を「特別の料金」として患者が追加で負担する
仕組みが予定されています。
厚生労働省は、現時点でまず77成分、約1,100品目を対象とする方針を示しています。
3割負担の人なら、薬剤費は実質47.5%負担に
薬剤費1,000円で考えてみましょう。
現在、3割負担の患者さんなら、
1,000円 × 30%=300円
が自己負担です。
一方、新制度では薬剤費の25%にあたる250円を「特別の料金」として負担します。
残る750円について通常の3割負担がかかるため、
750円 × 30%=225円
となります。
合計すると、
250円+225円=475円
です。
つまり、
となり、3割負担の人では薬剤費部分の実質負担が47.5%になります。
あくまで対象となる医薬品の薬剤費部分について追加負担が発生する制度です。
どんな薬が対象になる?
現在示されている対象薬の考え方は、
OTC医薬品と
- 成分が同一
- 投与経路が同一
- 1日最大用量が異ならない
医療用医薬品です。
現在の対象案には、
- フェキソフェナジン
- ロラタジン
- エピナスチン
- ロキソプロフェン
- イブプロフェン
- 酸化マグネシウム
- ヘパリン類似物質
など、日常診療で非常によく使われる薬が多数含まれています。
ビラノアも2027年3月から対象になる?
ここが今回のニュースで重要なポイントです。
まだ公表されたばかりのため、2026年8月20日時点で公表されている77成分の対象案には、ビラスチンは含まれていません。
ただし、
「現在リストにない=2027年3月にも対象にならない」
とは限りません。
正式承認されれば、ビラスチンについてもOTC医薬品が存在することになります。
さらに今回の制度では、今後OTC医薬品の状況などを踏まえて対象範囲を拡大していく方針も示されています。
そのため、
2027年3月の制度開始までにビラスチンが対象に追加される可能性は十分に考えられます。
まとめ
「ビラノアN」について、スイッチOTCとしての製造販売承認と要指導医薬品への指定が厚労省部会で了承されました。
花粉症の多い日本だからこそ、販売数も多くなりそうな注意が必要な医薬品かと思います。
そして今回特に注目したいのが、2027年3月から予定されているOTC類似薬の患者負担見直しです。
対象となる医療用医薬品では、薬剤費の25%が「特別の料金」として追加される予定で、3割負担の患者さんなら薬剤費部分の実質負担は47.5%になります。
現時点の77成分にはビラスチンは含まれていません。
しかし、ビラノアNのOTC化が正式に進めば、制度上の対象条件に該当する可能性が出てきます。
そのため、
「ビラノアがOTCになって便利になる」
というニュースだけではなく、
「OTC化によって、今後は処方されたビラノアの自己負担にも影響する可能性がある」
ところまで見ておく必要があります。
ビラノアを日常的に処方・服用している方にとっては、2027年3月に向けた制度変更も含めて、今後の動向に注意したいところです。
参考文献
- 厚生労働省.OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に向けた技術的検討会
- 厚生労働省.OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しの在り方について
- 厚生労働省.特別料金の対象となる医薬品の成分一覧(案)
- 厚生労働省.医療保険制度改正法が成立しました
- PMDA.ビラノア錠20mg 電子添文
- 大鵬薬品工業.ビラノア:服用タイミング(空腹時投与)について
- ドラビズ on-line.「ビラノアNとアレジオン点眼薬を要指導薬に指定」
※本記事は2026年8月20日時点の情報をもとに作成しています。制度の対象品目や患者負担の詳細は今後変更・確定される可能性があります。






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