国家資格の登録や変更、資格情報の確認などをマイナポータルから行える「国家資格等のオンライン・デジタル化」が進んでいます。
対象となる資格では、マイナポータル上で資格情報を確認できるほか、資格によっては登録申請や氏名変更、再交付申請などもオンラインで行えます。
薬剤師に関係するものとしては、すでに保険薬剤師の登録・変更などがオンライン化されています。
ただし、ここで注意したいのが、現在対応しているのは「薬剤師免許」ではなく、地方厚生局が管理する「保険薬剤師」の登録だという点です。
国家資格のオンライン・デジタル化とは?
これまで紙を前提としていた国家資格の手続きを、マイナンバーカードとマイナポータルを使ってオンライン化する取り組みです。
マイナンバー法の改正などにより、現在は130の国家資格等がオンライン・デジタル化の対象とされています。
資格によって対応状況は異なりますが、次のようなことができるようになります。
- 登録・変更・再交付などのオンライン申請
- 手数料などのオンライン支払い
- 住民票など一部の添付書類の省略
- 申請状況の確認
- マイナポータル上での資格情報の確認
- デジタル資格者証の取得
- 外部システムへの資格情報の連携
紙による手続きも引き続き利用でき、オンライン申請が必須になるわけではありません。
デジタル資格者証とは?
デジタル資格者証は、国家資格を保有していることを提示・証明するためのPDFファイルです。
スマートフォンなどに表示するだけでなく、メールへの添付や紙への印刷にも対応しています。
資格者証には二次元コードが付けられ、提出を受けた側はデジタル庁の確認ページから、次の点を検証できます。
従来の資格証をコピーして提出する方法と比べ、資格の有効性や真正性を確認しやすくなることが期待されます。
ただし、デジタル資格者証は「その資格が有効であること」を確認するものであり、提示した人物が資格者本人であることまで保証するものではありません。本人確認が必要な場面では、マイナンバーカードなどによる確認が別途必要です。
また、提出先がデジタル資格者証を認めている場合に限り、従来の資格者証や免許証の代わりとして利用できます。
現在手続きできる国家資格は?
デジタル庁が公表している「現在手続が可能な資格」は、2026年7月1日時点で次のとおりです。
- 介護福祉士
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 公認心理師
- 社会保険労務士
- 保険医
- 保険薬剤師
- 税理士
- 建築基準適合判定資格者
- 構造計算適合判定資格者
- 建築物環境衛生管理技術者
- 行政書士
- 司法試験予備試験
- 海技士
- 小型船舶操縦士
- 労働安全衛生法による免許20種
- 司法試験
- 給水装置工事主任技術者
- キャリアコンサルタント
- 技能講習修了証69種
- 技能士の一部
- 中小企業診断士
保険薬剤師は何ができるようになった?
保険薬剤師については、2025年2月25日から新規登録のオンライン申請が始まりました。
さらに2026年2月24日からは、氏名変更などの諸変更についてもマイナポータルから申請できるようになっています。
現在オンライン申請の対象となっている主な手続きは次のとおりです。
- 保険薬剤師の新規登録
- 管轄する地方厚生局が変わる場合の変更
- 氏名変更
- 登録票の再交付
- 保険薬剤師登録の抹消
- 薬剤師免許の取消・停止処分を受けた場合の届出
マイナポータルを利用すると、夜間や休日でも申請でき、登録情報や手続きの進行状況も確認できます。
一方、手続きによっては保険薬剤師登録票や戸籍抄本などの原本を郵送しなければならない場合があります。オンライン申請を行えば、すべてがペーパーレスになるわけではありません。
すでに保険薬剤師として登録している場合は?
すでに保険薬剤師として登録されている人が、初めてマイナポータルから変更申請などを行う場合は「初期設定」が必要です。
初期設定は、マイナポータルと保険薬剤師の登録情報を結び付ける手続きです。申請時には、保険薬剤師登録票の写しをPDFまたは画像で添付します。
なお、マイナポータルから保険薬剤師の新規登録を行った人や、すでに初期設定を済ませている人は、あらためて設定する必要はありません。
初期設定には審査時間がかかる場合があります。特に異動が多い3~4月は処理に時間を要する可能性があるため、氏名変更や管轄変更を予定している場合は早めの設定が推奨されています。
マイナポータルでの基本的な操作方法
基本的な流れは次のとおりです。
- マイナンバーカードを使ってマイナポータルにログインする
- 「さがす」から「#国家資格」または「証明書」を選択する
- 「国家資格の登録・各種申請」を開く
- 「資格を追加する」を選択する
- 保有している資格を選び、画面に従って初期設定を行う
- 審査・登録後、資格情報を確認する
利用には、有効な電子証明書が搭載されたマイナンバーカードと、暗証番号が必要です。
「薬剤師免許」のデジタル化はまだこれから
現在、マイナポータルで手続きできるのは「保険薬剤師」に関する登録です。
「薬剤師免許」ではありません。
デジタル庁の公表資料では2026年度以降に順次オンライン・デジタル化を開始する予定とされています。
整理すると、次のようになります。
| 区分 | 現在の対応状況 |
|---|---|
| 保険薬剤師 | 新規登録・変更・抹消・再交付などのオンライン申請に対応 |
| 薬剤師免許 | 2026年度以降に順次対応予定 |
保険薬局で勤務する薬剤師にとっては、まず保険薬剤師の登録手続きがデジタル化され、今後、薬剤師免許そのもののオンライン化へ広がっていく流れです。
YukiHPKIカードのこともあるし、薬剤師免許はまだ先になりそうだね…。
まとめ
国家資格のオンライン・デジタル化により、資格に関する申請や証明をマイナポータルで行える仕組みが広がっています。
保険薬剤師については、すでに新規登録だけでなく、氏名変更、管轄変更、登録票の再交付、登録抹消などもオンライン申請の対象です。
ただし、薬剤師免許そのものはまだ対応予定の段階であり、「薬剤師免許が完全にデジタル化された」というわけではありません。
また、資格によって利用できる手続きは異なり、一部の原本提出や本人確認が必要になる場合もあります。
今後、薬剤師免許までデジタル化されれば、就職・転職時の資格確認や、結婚などによる氏名変更、免許証の再交付といった手続きも簡略化される可能性があります。
保険薬剤師の登録票を持っている人は、一度マイナポータルの「国家資格」欄を確認してみてもよいでしょう。












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