2026年8月、ジクトルテープ75mgの後発医薬品となる「ジクロフェナクNaテープ75mgZI『久光』」が承認されました。
今回注目されているのが、「ステルスAG」という言葉です。
2026年度の薬価制度改革では、新たに薬価収載されるAG(オーソライズド・ジェネリック)について、先発品と同額で薬価を算定するルールが導入されました。
そのような中、先発品と同じ企業グループから後発品が登場したことで、AGに該当するのではないかと話題になっています。
今回は、ステルスAGの意味と薬価制度の変更、調剤薬局への影響について解説します。
ジクトルテープの後発品が承認
2026年8月17日、久光ファーマが「ジクロフェナクNaテープ75mgZI『久光』」の承認を取得しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 先発品 | ジクトルテープ75mg |
| 後発品 | ジクロフェナクNaテープ75mgZI「久光」 |
| 有効成分 | ジクロフェナクナトリウム |
| 先発品メーカー | 久光製薬 |
| 後発品の承認取得企業 | 久光ファーマ |
| 承認日 | 2026年8月17日 |
久光ファーマは久光製薬グループの企業であることから、今回の後発品がAGに該当するのではないかと注目されました。
ただし、メーカーはAG該当性を明らかにしていないため、AGと断定できません。
ステルスAGとは?
AG(Authorized Generic)は、先発医薬品メーカーから許諾を受けて製造販売される後発医薬品です。
通常の後発品と異なり、先発品と原薬・添加物・製法などが共通している場合があります。
ただし、すべてのAGが先発品と完全に同一というわけではありません。
一方、ステルスAGとは、AGと考えられる製品でありながら、その該当性が明確に公表されていない後発医薬品を指す非公式な呼び方です。
今回のジクトルテープの後発品も、同じ企業グループから承認された一方でAGかどうかは公表されていないことから、この言葉と関連して話題になっています。
| 比較項目 | AG1 | AG2 | AG3 | 一般的な後発品 |
|---|---|---|---|---|
| 有効成分 | ◎ 同じ | ◎ 同じ | ◎ 同じ | ◎ 同じ |
| 原薬 | ◎ 同じ | ◎ 同じ | △ 異なる | △ 異なる場合あり |
| 添加物 | ◎ 同じ | ◎ 同じ | ◎ 同じ | △ 異なる場合あり |
| 製造方法 | ◎ 同じ | ◎ 同じ | ◎ 同じ | △ 異なる場合あり |
| 製造工場 | ◎ 同じ | △ 異なる | △ 異なる | △ 異なる場合あり |
| 製造技術・設備 | ◎ 同じ | △ 異なる | △ 異なる | △ 異なる場合あり |
2026年度からAGの薬価算定ルールが変更
従来、新規後発医薬品の薬価は原則として先発品の50%を基準に算定され、AGも基本的に同様の取扱いでした。
しかし、2026年度の薬価制度改革により、2026年10月以降に新たに薬価収載されるAGは、先発品と同額で算定するルールが設けられました。
| 比較 | 従来 | 新制度 |
|---|---|---|
| 通常の新規後発品 | 原則50% | 原則50% |
| 新規AG | 原則50% | 先発品と同額 |
※通常の後発品には品目数などによる例外があります。
この変更により、AGとして扱われるかどうかが新規収載時の薬価を左右することになります。
今回の製品についても、AGに該当する場合と通常の後発品として扱われる場合では、薬価算定が異なる可能性があります。
また、今回の製品について、制度回避を目的としてAG該当性を明らかにしていないと判断できる根拠はありません。
調剤薬局への影響は?
後発医薬品の使用割合
後発医薬品として承認されていても、すべての製品が後発医薬品調剤体制加算などの数量割合の計算対象になるわけではありません。
先発品と同額以上の後発品は、原則として数量割合の計算から除外されます。
そのため、新制度で先発品と同額となったAGは、採用しても後発品数量割合の向上につながらない可能性があります。
採用時には、薬価だけでなく、厚生労働省が公表する後発医薬品の分類も確認する必要があります。
患者負担と選定療養
後発品が発売されると、先発品を希望する患者に対して長期収載品の選定療養が適用される可能性があります。
ただし、対象となるかどうかは薬価収載や対象品目の指定状況によって異なります。
ジクトルテープについても、後発品の発売に伴う取扱いを確認する必要があります。
安定供給への影響
ジクトルテープは限定出荷が報告されている製品です。
後発品の登場による供給改善が期待されますが、先発品と製造設備などを共有している場合、供給量が大きく増えるとは限りません。
製造体制や発売後の供給状況にも注目したいところです。
まとめ

2026年8月に承認されたジクトルテープの後発品は、先発品と同じ企業グループによる製品であることから、AG該当性が注目されています。
2026年度の薬価制度改革により、新規AGは先発品と同額で薬価算定されることになりました。
一方、今回の製品がAGに該当するかどうかは明らかになっておらず、今後の薬価収載情報などを確認する必要があります。
調剤薬局では、薬価だけでなく、後発医薬品の数量割合や選定療養、安定供給への影響についても注目しておきたいところです。


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