アゼルニジピンを服用中の患者さんに、クラリスロマイシンが処方されていたら要確認です。
2026年3月、アゼルニジピンとクラリスロマイシンの併用は、
従来の「併用注意」から「併用禁忌」に変更されました。
カルブロックなどのアゼルニジピン単剤だけでなく、オルメサルタンとの配合剤であるレザルタスも対象です。
クラリスロマイシンを含むピロリ除菌薬も、処方監査で見落とさないよう注意が必要です。
この記事では、改訂の内容と理由、薬局で確認したいポイントを整理します。
何が変わった?
厚生労働省は2026年3月17日アゼルニジピン含有製剤とクラリスロマイシン含有製剤の電子添文を改訂しました。
アゼルニジピン側では、クラリスロマイシンが「禁忌」および「併用禁忌」に追加され、「併用注意」から削除されました。
クラリスロマイシン側にも、アゼルニジピンとオルメサルタン・アゼルニジピン配合剤が併用禁忌として追加されました。
| 対象 | 主な製剤・商品例 |
|---|---|
| アゼルニジピン含有製剤 | カルブロック、後発品(アゼルニジピン) |
| オルメサルタン・アゼルニジピン配合剤 | レザルタス |
| クラリスロマイシン含有製剤 | クラリス、クラリシッド、クラリスロマイシン後発品 |
| クラリスロマイシンを含む配合剤 | ボノサップなどのピロリ除菌パック |
商品名だけでなく、配合剤の成分にも目を向けることが大切です。
特にピロリ除菌パックは、処方箋上でクラリスロマイシン単剤の処方と異なる見え方をする場合があります。
ひより合剤にも注意やな!
なぜ併用禁忌になった?
アゼルニジピンは、主にCYP3Aを介して代謝されます。クラリスロマイシンはCYP3Aを阻害するため、併用するとアゼルニジピンの代謝が抑えられ、血中濃度が上昇する可能性があります。
PMDAによる評価では、生理学的薬物速度論(PBPK)モデルの解析から、クラリスロマイシン400 mgまたは800 mgとの併用により、
アゼルニジピンのAUCがそれぞれ
と予測されました。市販後安全性情報も評価され、血中濃度上昇による副作用が懸念されることから、併用禁忌とするのが適切と判断されました。
※モデル解析による予測値です。
薬局で確認したい処方監査のポイント
1. アゼルニジピンの成分名で確認する
カルブロックだけでなく、後発品やレザルタスも確認します。商品名が異なっていても、アゼルニジピンを含む製剤であれば対象です。
2. クラリスロマイシンを含む配合剤を見落とさない
クラリスロマイシン単剤に加え、ピロリ除菌パックなどの配合剤も対象です。商品名の確認に加えて、成分を確認する習慣が役立ちます。
3. 併用が確認されたら、処方元へ照会する
併用禁忌に該当する場合は、処方意図を確認し、代替薬や治療方針について処方医に疑義照会しましょう。
4. 以前の「併用注意」の認識を更新する
この組み合わせは、長く「併用注意」として扱われていました。過去の知識や相互作用チェックの設定が更新されていないと、従来どおりの確認で終わる可能性があります。電子添文や薬局の監査システムの情報が改訂後の内容になっているかも確認したいところです。
同じ改訂でセリチニブも追加
2026年3月の改訂では、アゼルニジピン側の併用禁忌に**セリチニブ(ジカディア)**も追加されました。セリチニブのCYP3A4阻害により、アゼルニジピンの作用が増強するおそれがあるためです。
クラリスロマイシンとの改訂理由とは別の相互作用ですが、アゼルニジピンの電子添文が更新された際に、あわせて確認しておきたい変更点です。
まとめ
2026年3月17日の改訂で、アゼルニジピンとクラリスロマイシンは
へ変更されました。
PBPKモデルでは、クラリスロマイシン併用時にアゼルニジピンのAUCが約3.4〜5.4倍になると予測されています。
処方監査では、カルブロックや後発品だけでなく、レザルタスやクラリスロマイシンを含む除菌パックも確認します。従来の「併用注意」という認識を更新し、併用が見つかった場合は処方元へ照会しましょう。
参考資料
- PMDA「アゼルニジピン含有製剤及びクラリスロマイシン含有製剤の『使用上の注意』の改訂について」(2026年3月17日)
- 厚生労働省「『使用上の注意』の改訂について」(令和8年3月17日、医薬安発0317第1号)
- 日本製薬団体連合会「医薬品安全対策情報(DSU)No.344」











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