マンジャロをやめたら体重は戻る?中止後の変化を臨床試験から解説
マンジャロ®(一般名:チルゼパチド)をやめたら、減った体重は元に戻ってしまうのでしょうか。
結論からいうと、すべての人が元の体重に戻るわけではありませんが、かなりの人がマンジャロを中止すると体重が再び増加する可能性があります。
また、2型糖尿病患者では、体重だけでなく血糖値やHbA1cの再上昇にも注意が必要です。
今回は、チルゼパチド中止後の変化を調べた臨床試験から、実際にどの程度体重が戻ったのかを解説します。

マンジャロ中止後4週間で体重とHbA1cが上昇
2型糖尿病患者を対象としたSURPASS-1試験の追加解析では、チルゼパチドを40週間使用した後、中止してから4週間の変化が調べられました。
その結果、次のような体重増加とHbA1cの上昇が認められています。
| 中止前の用量 | 中止後4週間の体重変化 | HbA1cの変化 |
|---|---|---|
| 5mg | +0.7kg | +0.2% |
| 10mg | +1.4kg | +0.3% |
| 15mg | +1.8kg | +0.2% |
空腹時血糖値も、中止後4週間で約20~24mg/dL上昇しました。
つまり、マンジャロを中止すると、比較的早い段階から体重や血糖値が再び上昇する可能性があります。
ただし、この解析は中止後4週間という短期間のデータです。その後どこまで体重やHbA1cが戻るかまでは分かりません。
また、探索的な追加解析であることにも注意が必要です。
中止後1年間で、減った体重の約半分が戻った
SURMOUNT-4試験では、チルゼパチドを36週間使用した結果、体重が平均20.9%減少しました。
その後チルゼパチドを中止すると、1年間で減った体重の約半分が戻っています。
100kgの人に置き換えると、次のようなイメージです。
| 時点 | 体重のイメージ |
|---|---|
| チルゼパチド開始前 | 100kg |
| 36週間使用した時点 | 約79.1kg |
| 中止から1年後 | 約90.1kg |
最初の36週間で約20.9kg減りましたが、中止後の1年間で約11kg戻った計算です。
つまり、中止から1年後も開始前より約9.9kg少ない状態ではあるものの、いったん減った体重の約53%が戻っています。
また、その後の解析では、中止した人の約82%が、1年間で「それまでに減少した体重の25%以上」を再び増やしていました。
ただし、SURMOUNT-4は2型糖尿病のない肥満・過体重の人を対象に、チルゼパチド10mgまたは15mgを使用した試験です。日本でマンジャロを使用する2型糖尿病患者が、全員同じ程度に体重増加するとは限りません。
中止した人の約82%で体重が再増加
SURMOUNT-4の追加解析では、最初の36週間で10%以上体重が減少し、その後チルゼパチドを中止した人が詳しく分析されました。
その結果、中止した人の約82%が、1年間で「それまでに減少した体重の25%以上」を再び増やしていました。
さらに、体重が大きく戻った人ほど、
- 腹囲
- 血圧
- HbA1c
- 脂質
- インスリン抵抗性
などの改善も失われる傾向が認められています。
体重が戻ることは、見た目や体重計の数字だけでなく、代謝面で得られていた効果にも影響する可能性があります。
なぜ中止すると体重が戻りやすい?

マンジャロの使用中は、GIP受容体とGLP-1受容体への作用によって、食欲や摂取エネルギーが抑えられます。
中止すると、この薬理作用が徐々に弱まり、食欲や食事量が増える可能性があります。
これは依存や離脱症状によって太るという意味ではありません。
薬によって抑えられていた食欲や摂取量が戻ることに加えて、
体重が減った後には身体が体重を元に戻そうとする仕組みも働くため、減量後の体重維持が難しくなると考えられます。
やめると必ず元の体重に戻る?
すべての人が元の体重まで戻るわけではありません。
SURMOUNT-4でも、中止群は試験開始時と比べて平均9.9%低い体重を維持していました。また、体重の戻り方には個人差があります。
ただし、臨床試験では多くの人で体重の再増加が認められているため、
「マンジャロをやめても、減った体重はそのまま維持できる」
とは限りません。
2型糖尿病患者では、体重だけでなく血糖値やHbA1cが再び上昇する可能性もあります。
マンジャロを中止するときに確認したいこと
マンジャロを中止する場合は、次の点を確認することが重要です。
- 食欲や食事量が増えていないか
- 体重が急に戻っていないか
- 血糖値やHbA1cが悪化していないか
- 中止後も食事・運動療法を継続できているか
- 代わりとなる糖尿病治療が必要ではないか
特に糖尿病治療として使用している場合、マンジャロだけを中止すると血糖コントロールが悪化する可能性があります。
投薬するときにもただ薬を使ってもらうだけではなく、
使っている間に食事や運動を指導する!
このことを意識しましょう!
まとめ
マンジャロを中止すると、体重や血糖値が再び上昇する可能性があります。
2型糖尿病患者を対象とした解析では、中止後4週間で体重が平均0.7~1.8kg増加し、HbA1cも0.2~0.3%上昇しました。
また、糖尿病のない肥満・過体重の人を対象としたSURMOUNT-4では、チルゼパチド中止後の1年間で体重が平均14.0%増加しています。
ただし、体重の戻り方には個人差があり、すべての人が元の体重まで戻るわけではありません。
大切なのは、マンジャロを「体重が減ったら終わり」と考えるのではなく、中止後の食事、運動、体重、血糖値まで含めて治療を考えることです。
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参考文献
- Rosenstock J, et al. Impact on glycated haemoglobin and body weight changes after stopping tirzepatide for 4 weeks in the SURPASS-1 monotherapy trial. Diabetes Obes Metab. 2024;26:1501-1506.
- Aronne LJ, et al. Continued Treatment With Tirzepatide for Maintenance of Weight Reduction in Adults With Obesity: The SURMOUNT-4 Randomized Clinical Trial. JAMA. 2024;331:38-48.
- Horn DB, et al. Cardiometabolic Parameter Change by Weight Regain on Tirzepatide Withdrawal in Adults With Obesity: A Post Hoc Analysis of the SURMOUNT-4 Trial. JAMA Intern Med. 2026;186:157-167.
- マンジャロ®皮下注アテオス 電子化された添付文書(2026年5月改訂)


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