痛風発作の治療に使われるコルヒチン。
中毒への注意が必要な薬ですが、2026年国内で死亡例が報告され、2026年に警告の強化と用法・用量の変更が行われました。
今回の見直しで知っておきたいのは、高用量投与によるリスクに加え、重度腎機能障害がある患者では、1日1mgでも中毒症状が疑われた例が確認されていることです。
薬局で処方を受けた際に確認したい点を、PMDA・厚生労働省の公表資料からまとめます。
どのような死亡例が報告された?
PMDAが2026年2月24日に公表した資料では、国内の副作用等報告データベースに集積した転帰死亡症例は18例で、
そのうち8例は、コルヒチンによる中毒症状と死亡との因果関係が否定できないとされています。
死亡症例を中心に評価した結果、中毒症状が疑われる症例には、次のような例が複数確認されました。
- 1日1.8mgを超える高用量が投与されていた例
- 1日1mgの投与でも、重度腎機能障害があった例
これを受けて、警告や腎機能障害患者への注意などが見直され、その後、承認用量も変更されました。
以前は、承認用量の範囲内でも高用量だった
改訂前の「痛風発作の緩解」に対する承認用量には、1日3~4mgを6~8回に分けて投与する方法が記載されていました。
一方、「用法及び用量に関連する注意」には、2010年から、1日量は1.8mgまでにとどめることが望ましい旨が追記されていました。
つまり、用法・用量の欄に書かれた量だけを見れば承認範囲内でも、注意事項では高用量を避けるよう求められていたという経緯があります。
2026年2月の製造販売業者の案内も、当時の承認用量内でありながら、
があったと説明しています。
今回の変更では、用法・用量の記載自体が低用量を前提とした内容に改められました。
ひより許容量なら大丈夫なんかと思うわな…。



他の薬でも容量内なら…が通じないかもしれないね
2026年6月から、発作の治療は1日合計1.5mg以下に
2026年6月2日、「痛風発作の緩解」に対する用法・用量は次の内容に変更されました。
| 項目 | 現在の成人用量 |
|---|---|
| 1回量 | 0.5~1.0mg |
| 服用回数 | 1日1回または2回 |
| 1日の総投与量 | 1.5mgを超えない |
コルヒチン錠0.5mg「タカタ」では、1日合計3錠が上限に相当します。
ただし、これも誰にでも3錠まで使えるという意味ではありません。腎機能・肝機能や併用薬に応じた判断が必要です。
また、発作の緩解目的では、疼痛が改善したら速やかに中止するとされています。
自己判断で追加したり、痛みが改善しても漫然と服用したりしないよう、服用方法と終了の目安を伝えます。
低用量でも、なぜ中毒が起こるの?
腎機能・肝機能によって薬が体内に残りやすくなる
コルヒチンは治療域が狭い薬です。服用した量が少なくても、薬の処理や排泄が低下すれば血中濃度が高まり、中毒の危険が増します。
特に今回の評価では、重度腎機能障害患者で1日1mgの投与例も問題になりました。
現在の添付文書では、重度腎機能障害患者への投与は、臨床上やむを得ない場合を除き避けるとされています。
それ以外の腎機能障害でも、ごく少量からの開始や必要最小限の投与期間などに注意が必要です。肝機能障害や高齢者についても、血中濃度上昇・持続を考慮します。
併用薬で血中濃度が上がることがある
コルヒチンは主として
でもあります。
これらを阻害する薬を併用すると、血中濃度が上昇し、重篤な中毒につながることがあります。
肝臓または腎臓に障害があり、CYP3A4を強く阻害する薬剤やP糖蛋白を阻害する薬剤を服用している患者には、
コルヒチンは禁忌です。
| 相互作用のある薬の例 | 確認する背景 |
|---|---|
| クラリスロマイシン含有製剤 | 強いCYP3A4阻害 |
| イトラコナゾール | 強いCYP3A4阻害 |
| リトナビル含有製剤(パキロビッドなど) | 強いCYP3A4阻害 |
| エンシトレルビル(ゾコーバ) | 強いCYP3A4阻害 |
| シクロスポリン | P糖蛋白阻害 |
肝・腎障害がない場合も、これらとの併用は注意が必要です。
コルヒチンを処方されたときだけでなく、服用中に抗菌薬や新型コロナ治療薬などが追加されたときも確認します。


下痢や嘔吐を「よくある副作用」で済ませない
コルヒチンに副作用では
がみられますが、中毒の症状として現れることもあります。
添付文書では、悪心・嘔吐、腹部痛、下痢、血尿、乏尿、筋脱力などがあらわれた場合、速やかに受診するよう指導するとされています。
「下痢が出るまで飲む」という使い方は避け、症状が出ても自己判断で追加しないよう伝えます。
過量服用した可能性がある場合も、症状を待たず医療機関へ相談する必要があります。
中毒では胃腸障害だけでなく、血液障害、腎障害、肝障害などを起こすことがあります。コルヒチンは血液透析で除去されないため、透析で薬を取り除けると考えてはいけません。
薬局で確認したいこと
今回の改訂を踏まえ、処方監査では用量と患者背景を併せて確認します。
| 確認項目 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 使用目的 | 発作の緩解、予防、家族性地中海熱のどれか |
| 1日総量 | 定期分と頓用分を合わせた量、すでに服用した量 |
| 腎機能・肝機能 | 重度障害の有無、最近の検査値や状態の変化 |
| 併用薬 | 他院処方、臨時処方を含むCYP3A4・P糖蛋白阻害薬 |
| 投与期間 | 発作治療の終了目安、残薬の自己使用がないか |
| 体調変化 | 下痢、嘔吐、腹痛、脱力、尿量減少など |
特に、古い処方や残薬を使う場合は、以前の用法がそのまま繰り返されていないか確認が必要です。
まとめ
コルヒチンでは、国内の死亡例を受け、2026年2月に警告などが強化され、6月には痛風発作の緩解に対する承認用量が1日合計1.5mg以下に変更されました。
重度腎機能障害では1日1mgでも中毒が疑われた例があり、用量だけで安全性を判断できません。
を確認することが大切です。
薬局でも、最新の用量への更新と併せて、追加服用を防ぐ説明や中毒症状の早期発見につなげていきましょう。
参考資料
- PMDA「コルヒチンの『使用上の注意』の改訂について」2026年2月24日
https://www.pmda.go.jp/files/000279352.pdf - 高田製薬「適正使用のお願い―コルヒチンの用法及び用量について―」2026年2月(PMDA掲載。改訂前の経緯を確認する資料)
https://www.pmda.go.jp/files/000279087.pdf - 厚生労働省「コルヒチンを痛風発作の緩解に使用する際の安全対策について」医薬品・医療機器等安全性情報 No.431、2026年8月、3~4頁
https://www.mhlw.go.jp/content/PMDSI_No431.pdf - 厚生労働省「コルヒチン製剤の医薬品医療機器法上の用法及び用量の一部変更について」2026年6月2日
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00td0150&dataType=1&pageNo=1 - コルヒチン錠0.5mg「タカタ」電子添文、2026年6月改訂
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/400186_3941001F1077_1_11










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