【2026年新設】かかりつけ薬剤師フォローアップ加算
背景
2026年度の調剤報酬改定で、
- 「かかりつけ薬剤師指導料」
- 「かかりつけ薬剤師包括管理料」
が廃止されました。代わりに登場した一つが
「かかりつけ薬剤師フォローアップ加算(50点)」
来局の合間にも患者さんに積極的に関わる薬剤師の行動をお金できちんと評価しようという仕組みです。
「電話して残薬を確認した」「体調変化を医師に伝えた」——そんな地道な業務が、点数に結びつくようになりました。
概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 点数 | 50点 |
| 算定頻度 | 3ヶ月に1回を限度 |
| 算定タイミング | 次回処方箋を受け付けたとき(フォローアップ実施後) |
| フォロー方法 | 電話・ICTツールなど(双方向性が必須) |
| 実施者 | かかりつけ薬剤師本人 |
| 実施時期 | 前回調剤日の翌日〜次回来局前日までの間 |
対象患者
以下の【条件ア】と【条件イ】の両方を満たす患者さんが対象です。
【条件ア】かかりつけ薬剤師として算定している
服薬管理指導料「1のイ」または「2のイ」を算定していること。
つまり「かかりつけ薬剤師」として患者さんの同意を得ている必要があります。
【条件イ】直近6ヶ月以内に以下のいずれかを算定している
- 外来服薬支援料1 (服用中の薬剤を一包化や服薬カレンダー等により整理)
- 服用薬剤調整支援料1または2(ポリファーマシーや重複投薬解消を目的)
- 調剤管理料の調剤時残薬調整加算(残薬調整)
- 薬学的有害事象等防止加算 (副作用等防止)
そのフォローアップによって残薬などの問題がすでに解消されている場合は対象外。また「6ヶ月以内」は継続算定のたびに確認が必要です。
フォローアップを実施するタイミング
フォローアップを行える期間は「前回調剤日の翌日から、当該患者が再度処方箋を持参する前日まで」と定められています。
| 時期 | 解説 |
|---|---|
| 前回調剤日(当日) | 含まれない。調剤した当日のフォローは対象外 |
| 前回調剤日の翌日〜 | フォローアップ可能な期間の始まり |
| 〜次回来局前日 | フォローアップ可能な期間の終わり(来局当日は含まれない) |
また、フォローアップを実施する要因となった処方箋を発行した医療機関以外からの処方箋持参は、この期間に含まれません。
💡 受診間隔(調剤間隔)を考慮した、薬学的に適切なタイミングで実施することが重要です。「前回調剤の翌日に即電話」ではなく、患者さんの服薬状況を確認できるタイミングを見計らいましょう。
フォローアップの実施方法

認められる方法
以下の方法でフォローアップを行うことができます。いずれの場合も「双方向のコミュニケーション」が必須です。
- 電話(最もシンプルで確実な方法)
- ビデオ通話(テレビ電話・オンライン会議ツール等)
- チャットアプリ・メッセージツール(患者が個別に返答できる形式)
事前に患者へ説明・了承が必要な内容
フォローアップを行う前に、患者さんまたはご家族等に以下の内容を説明し、了承を得ておく必要があります。
- フォローアップで行う聞き取りや指導の内容
- 当該加算に伴う自己負担額
Yuki残薬調整加算などの算定タイミングで、その場で「後日お電話してもよいですか?」と了承を取るのが自然な流れになりそうだね。
フォローアップとして認められない事例
「双方向性のないもの」「画一的な内容のもの」は、どれだけ手間をかけても算定の対象外。
| NG事例 | なぜダメか |
|---|---|
| 一律の内容のメールを一斉送信 | 一方的な情報発信のみで、双方向性がない |
| 全患者共通の定型文SMSを送るだけ | 画一的な内容の通知であり、個別対応ではない |
| アプリの定型チェックリストへの入力のみ | 患者の個別状況を踏まえた確認・指導が伴わない場合は対象外 |
| 薬剤師からの一方的な連絡のみで返答なし | 患者からの応答・確認ができていない |
ICTアプリ(情報通信技術)を活用する場合でも、患者ごとに個別の確認・指導・助言が行われていなければ算定できません。ツールの形式ではなく「内容」が問われます。
算定できないケース
以下のいずれかに該当すると算定できません。現場でミスが起きやすいポイントです。
① 同月内に以下を算定している場合
| 算定できない項目 | 備考 |
|---|---|
| 調剤後薬剤管理指導料 | 在宅・居宅管理系との同月重複はNG |
| 在宅患者訪問薬剤管理指導料 | 同月算定不可 |
| 居宅療養管理指導費 | 同月算定不可 |
| 介護予防居宅療養管理指導費 | 同月算定不可 |
② 複数薬局でかかりつけ薬剤師を算定している場合
複数の保険薬局で服薬管理指導料「1のイ」または「2のイ」を算定していた場合は、どの薬局でも本加算は算定できません。
③ 特別調剤基本料Bを算定している薬局
特殊算定薬局(いわゆる門前薬局等の特定算定類型)に該当する場合は算定不可です。
④ 対象患者の条件を満たしていない
条件ア・イのどちらかを欠く患者には算定できません。残薬調整等の実施履歴がない患者さんへのフォローは大切ですが、この加算では評価されません。
薬歴への記載内容
算定するためには、以下の内容を薬剤服用歴(薬歴)に記載することが必要です。
| 記載すべき内容 | 具体例・補足 |
|---|---|
| フォローアップを行った旨 | 「電話にて服薬状況を確認した」など |
| 実施日時 | 「2026年○月○日 14:30」のように具体的に記録 |
| 聞き取り・指導の内容 | 「残薬なし。服薬は問題なくできているとのこと。副作用の訴えなし」など |
| かかりつけ薬剤師の氏名 | 服薬管理指導料「1のロ・2のロ」と併算定の場合は特に必須 |
| 問題未解消時の理由・改善策 | 残薬が繰り返す場合などは、原因の検証と改善策も記載。「電話したが変わらなかった」で終わらせない |



電子薬歴の場合、フォローアップ専用テンプレートを作成しておくと記録漏れを防げそうやな。
レセプト摘要欄への記載事項
かかりつけ薬剤師フォローアップ加算のレセプト摘要欄には、以下の内容を記載します。
| 記載項目 | 記載例・補足 |
|---|---|
| フォローアップを実施した年月日 | 「フォローアップ年月日:令和8年5月15日」のように記録(元号年月日形式) |
「前回算定年月」の記載についても以前は書いてありましたが、現在はすべて削除されました。
かかりつけ薬剤師になるための要件(2026年度改定版)
薬剤師個人の要件(2026年度改定)
薬剤師個人の要件
| 要件 | 改定前(〜2025年度) | 改定後(2026年度〜) |
|---|---|---|
| 保険薬局勤務経験 | 保険薬剤師として継続3年以上 | 同左(変更なし) |
| 週勤務時間 | 週32時間以上 | 週31時間以上に緩和 |
| 育児・介護による時短の場合 | 週24時間以上かつ週4日以上 | 同左(変更なし) |
| 当該薬局への在籍期間 | 継続して1年以上 | 継続して6ヶ月以上に緩和 |
| 研修認定 | 薬剤師認定制度認証機構等の研修認定を取得 | 同左(変更なし) |
| 地域活動への参画 | 医療に係る地域活動への取り組みに参画 | 同左(変更なし) |
在籍期間が1年→6ヶ月に短縮されました!
産前産後・育児・介護休業からの復職時は、同一薬局であれば休業前の在籍期間を合算できます。
薬局全体の施設要件(2026年度より新設)
個人要件を満たしていても、薬局全体として以下のいずれかを満たす必要があります。
- 施設要件A:当該保険薬局に勤務する常勤の保険薬剤師の平均在籍期間が1年以上であること
- 施設要件B:管理薬剤師が当該保険薬局に継続して3年以上在籍していること
- 患者のプライバシーに配慮した独立したカウンター
実務の流れ――ステップで確認
- 残薬調整加算等を算定した際に患者さんへ「後日お電話してもよいですか?」と説明し了承を得る。加算の自己負担額も説明する
- 前回調剤日の翌日以降、受診間隔を考慮したタイミングでかかりつけ薬剤師本人が電話等で連絡。服薬状況・残薬・体調変化を確認し必要な指導を実施
- フォロー内容・日時・かかりつけ薬剤師の氏名を薬歴に記録
- 体調変化等の情報があれば受診中の医療機関へ情報提供。必要に応じて受診勧奨も行う
- 次回来局時に処方箋受付→レセプト摘要欄にフォローアップ年月日・前回算定年月を記載して加算を算定
前回算定から3ヶ月未満での算定は返戻の対象になります。算定前に必ず前回算定日を確認してください。
関連する加算との比較
| フォローアップ加算 | 訪問加算 | |
| 点数 | 50点 | 230点 |
| 頻度 | 3ヶ月に1回 | 6ヶ月に1回 |
| 方法 | 電話・ICT(非対面) | 患家への訪問(対面) |
| 医療機関への報告 | 体調変化があれば | 必須 |
| レセプト記載 | フォローアップ年月日・前回算定年月 | 訪問年月日・前回算定年月 |
フォローアップ内容を医師に情報提供することで、服薬情報等提供料2(旧かかりつけ薬剤師指導料では同月算定不可だったが2026年改定から併算定可)の算定にもつながります。
算定前チェックリスト
- 服薬管理指導料「1のイ」または「2のイ」を算定している患者か?
- 直近6ヶ月以内に残薬調整加算・服用薬剤調整支援料等を算定しているか?
- 複数薬局でかかりつけ薬剤師指導を算定していないか?
- 前回の算定から3ヶ月以上経過しているか?
- 同月に調剤後薬剤管理指導料・在宅管理指導料等を算定していないか?
- 特別調剤基本料Bを算定している薬局でないか?
- フォローアップは「前回調剤日の翌日〜次回来局前日」の間に実施したか?
- 双方向のコミュニケーションで行ったか(一方的な情報送信ではないか)?
- 患者へフォローアップの内容と自己負担額を事前に説明・了承を得ているか?
- フォローアップした日時・内容・かかりつけ薬剤師氏名を薬歴に記載したか?
- レセプト摘要欄にフォローアップ年月日・前回算定年月を記載したか?
まとめ


かかりつけ薬剤師フォローアップ加算は、「来局して終わり」から「来局後も患者さんに関わる」薬剤師像を評価する加算です。
- 50点・3ヶ月1回。対象患者への非対面フォローが算定の核なる
- タイミングは前回調剤の翌日〜次回来局前日の間・受診間隔を考慮して実施
- 事前に連絡する旨を伝える
- 双方向性のある確認が必須。一斉メール・定型チェックのみはNG
- 薬歴記録(日時・内容・氏名)とレセプト摘要欄(フォロー年月日・前回算定年月)が算定の証跡
- 算定できないケースを事前チェックして取りこぼし・過誤算定を防ぐ
※本資料は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。最終的な算定判断は厚生労働省の告示・留意事項通知・疑義解釈を必ずご確認ください。










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