服薬情報等提供料1・2の違いは?算定要件を現場向けに整理
服薬情報等提供料は、薬局が把握した患者さんの服薬状況などを医療機関や介護支援専門員へ伝え、処方の見直しや継続的な服薬管理につなげた場合に算定する点数です。
「トレーシングレポートを送ったから算定できる」というものではなく、情報提供を行うきっかけや相手、内容によって、服薬情報等提供料1・2のどちらに該当するかが変わります。
本記事では、令和8年度調剤報酬をもとに、現場で迷いやすい違いを整理します。
服薬情報等提供料1・2の早見表
| 区分 | 点数 | 情報提供のきっかけ | 主な提供先 |
|---|---|---|---|
| 服薬情報等提供料1 | 30点 | 医療機関から求めがあった | 医療機関 |
| 服薬情報等提供料2のイ | 20点 | 薬剤師が必要と判断した | 医療機関 |
| 服薬情報等提供料2のロ | 20点 | リフィル調剤後に必要な報告を行った | 処方医 |
| 服薬情報等提供料2のハ | 20点 | 薬剤師が必要と判断した | 介護支援専門員 |
最初に確認したいのは「誰が情報提供の必要性を判断したか」です。
ひより1と2って、何が違うん?送る内容で決まるんかな?



まずは情報提供のきっかけを見るとわかりやすいよ。
医療機関から依頼された場合は1、
薬剤師が必要と判断した場合は2が基本だね
服薬情報等提供料1とは?
服薬情報等提供料1は、医療機関から情報提供を求められた場合に算定します。
患者さんまたは家族等の同意を得たうえで、調剤後も服薬状況などを確認し、患者さんが現在受診している医療機関へ必要な情報を文書で提供します。
代表的なケース
- 医療機関から残薬の報告を求められた
- 医師の指示による分割調剤の2回目以降に、服薬状況や体調変化を報告した
- リフィル処方箋の2回目以降に、医療機関からの求めに応じて情報提供した
- 医療機関から入院前の服用薬を確認するよう依頼された
服薬情報等提供料1は30点、原則として月1回の算定です。
残薬は「量を報告するだけ」では不十分
残薬について情報提供する場合は、単に「○日分残っています」と伝えるだけでは足りません。
- どの薬が、どのくらい残っているか
- なぜ残薬が生じたのか
- 今後、残薬を生じにくくするにはどうすればよいか
- 薬局として行った指導や提案
まで整理して伝え、その後の服薬状況も継続して確認します。



残薬が10錠ありましたってFAXしたら算定できるん?



残っている量だけではなく、飲めなかった理由を分析して、
服用回数の変更や一包化などの対策まで伝えることが大切だよ
服薬情報等提供料2とは?
服薬情報等提供料2は、基本的に薬剤師が情報提供の必要性を認めた場合に算定します。
患者さんまたは家族等の同意を得たうえで、薬歴や聞き取りから得られた情報を薬学的に分析し、医療機関または介護支援専門員へ文書で提供します。
服薬情報等提供料2は、提供先や場面によって「イ・ロ・ハ」に分かれています。いずれも20点です。
2のイ|医療機関への情報提供
薬剤師が必要性を認め、患者さんが現在受診している医療機関へ情報提供した場合です。
例えば、次のようなケースが考えられます。
- 飲み忘れが多く、処方内容の見直しが必要と考えた
- 残薬が繰り返し発生している
- 副作用が疑われる症状を確認した
- 服用方法が生活に合っておらず、継続が難しい
- 歯科医師へ、他院から処方されている薬の情報を伝えた
医療機関から依頼されたのではなく、薬剤師側から必要性を判断して報告する点が、服薬情報等提供料1との大きな違いです。
2のロ|リフィル処方箋調剤後の情報提供
リフィル処方箋による調剤後、処方医へ患者さんの服薬状況などを文書で提供した場合に算定します。
残薬、副作用、体調変化、服薬継続上の問題などを確認し、処方医へ伝えます。
リフィル処方箋では、次のように整理するとわかりやすくなります。
- 医療機関から情報提供を求められている:服薬情報等提供料1
- 薬剤師が必要と判断して調剤後に報告する:服薬情報等提供料2のロ
2のハ|介護支援専門員への情報提供
薬剤師が必要性を認め、患者さんの介護支援専門員、いわゆるケアマネジャーへ情報提供した場合です。
対象は介護支援専門員が関与する要介護・要支援の患者さんで、同じ月に居宅療養管理指導を算定していない場合に限られます。
単に薬の一覧を渡すのではなく、患者さんの生活状況を踏まえて、例えば次のような情報をわかりやすく伝えます。
- 眠気やふらつきによる転倒リスク
- 服薬介助が必要な時間帯
- 飲み忘れが起こる背景
- 一包化や服用回数の整理による改善案
ケアマネジャーから情報提供を求められた場合でも、薬剤師が必要性を認め、要件を満たせば算定できます。
医療機関へ伝える主な内容
服薬情報等提供料1・2では、患者さんの状況に応じて、主に次の内容を提供します。
- 服用している薬と服薬状況
- 患者さんへ行った服薬指導の要点
- 服薬中の体調変化や、副作用の原因として疑われる薬
- 一包化や剤形変更など、服用を続けやすくするための調剤上の工夫
体調変化や自覚症状がある場合は、単に症状を伝えるだけでなく、薬剤による可能性を分析し、患者さんへ行った指導内容も併せて提供します。
算定前に確認したいポイント
患者さんの同意を得ているか
医療機関や介護支援専門員へ情報提供する前に、患者さんまたは家族等の同意を得ます。
文書で情報提供しているか
電話で相談しただけではなく、トレーシングレポートなどの文書を用いて情報提供します。
厚生労働省の様式または、それに準じた薬局独自の様式を使用できます。
月1回の算定になっているか
同じ医師または歯科医師へ同一月に複数回情報提供しても、算定は月1回です。
ただし、複数の医療機関の医師や歯科医師へそれぞれ情報提供した場合は、医師・歯科医師ごとに月1回算定できます。
また、介護支援専門員と医療機関の両方へ、それぞれの立場に応じた内容を提供した場合は、服薬情報等提供料2をそれぞれ算定できます。
重複して算定できない管理料
次のような場合は、服薬情報等提供料を算定できません。
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料
- 訪問薬剤管理医師同時指導料
- 調剤後薬剤管理指導料 として同じ情報提供を評価している場合
- 特別調剤基本料A を算定している薬局(条件有/下記に記載) (※敷地内薬局から敷地内医療機関への情報提供の場合)
- 特別調剤基本料B を算定している薬局 (※調剤基本料の届出がない薬局)
特別調剤基本料Aについては、特別な関係にある医療機関への情報提供では算定できないため注意が必要です。
まとめ
服薬情報等提供料1・2は、次のように整理すると判断しやすくなります。
- 医療機関から依頼された:服薬情報等提供料1
- 薬剤師が必要性を判断して医療機関へ伝えた:服薬情報等提供料2のイ
- リフィル調剤後に処方医へ伝えた:服薬情報等提供料2のロ
- 介護支援専門員へ伝えた:服薬情報等提供料2のハ
情報提供書を送ること自体が目的ではありません。
患者さんの服薬状況を確認し、問題の原因を薬学的に分析したうえで、処方や服薬支援にどうつなげるかまで伝えることが大切です。
参考資料
- 厚生労働省「令和8年度 調剤報酬点数表」
- 厚生労働省「調剤報酬点数表に関する事項」














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